共食の機能と可能性
―食育をより有効なものとするための一考察―

 

第6図の「食事の目的」の結果は29歳以下では「会話」という回答が42%と30歳以上より14ポイントも高い.したがって,日常生活で個食が進んでいる20代でも,誰かと共に食事をし,コミュニケーションをとりたいという欲求は高いことがわかる.さらに,「印象に残っている食事のエピソード」として,「地元の農産物を使ったパーティーで地域の生産者と交流したこと」「小学校のときの臨海学習の野外炊飯.班の皆で協力して作り,外で食べた思い出」「祖母のしつけで,ご飯を残すと厳しく叱られたこと.今でも食事を残すとひどく罪悪感がある」等,コミュニケーションを通じ,食事の充足感が増したという経験談が挙げられた(第2表).これらのことから,対象者のコミュニケーションをとることへの欲求の高まりというもう1つの特徴が明らかになり,彼らが大人になっても食事でのコミュニケーションの必要性を感じていることが理解できる.

 

多忙な暮らしの中での共食は実現し難いと思われがちだが,各講が会費制に移行する等その形態を変化させ,デメリットを克服し共食を続けてきたことを参考に,新しい共食の形を探る必要がある.従って,これからは地域住民や友人,仕事仲間等家族を含めた様々なグループで,外食や中食を利用しながら継続的に共食する機会を設けることが重要だと考える.言い換えれば,「家族・毎日・手料理」という固定的な枠組みにとらわれず共食を行うべきであるということである.今の食育は「日本型食生活であるべき」「母親の手料理が一番良い」という伝統的な価値観にとかくとらわれがちで,結果,本質的に重要な「食事を通じてのコミュニケーション」が実現されていない場面も数多く見受けられる.

 
『対象者のコミュニケーションをとることへの欲求の高まりというもう1つの特徴が明らかになり,彼らが大人になっても食事でのコミュニケーションの必要性を感じていることが理解できる.』
 
お酒や食事、カラオケを楽しみたい。ということでしたら専門のお店を利用されていると思いますが、スナックの場合、これらは単なるコミュニケーションツールに過ぎないと思うんですね。
 
ちづるをご利用のお客様の傾向として、カラオケをメインとしてのご利用は本当に少ないことから、歌のリクエストがいっぱいになることはまずありません。
 
会話8割・カラオケ2割がそれを物語っていると思うのです。
大切なのは吐き出すことで、バケツを空にするお手伝いを十分させていただくことが私たちのお仕事。
 
周囲を気にすることなくお過ごしいただけるのも平日のちづるの良さのひとつです。😊

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