当時は”ボケ”という言葉だったと思います。
高齢になることで避けられないものと考えていましたが、食事をしたことを忘れる。同じことを何度も聞く。隣町まで徘徊するようになった。
ママと同居するご家族に認知症の症状が認められるようになったことから毎日数時間をかけ昔の出来事を語ってもらうようにしたそうですが、これによって認知機能が回復。
再発することなく人生を終えることに貢献したというお話を聞いたのは30年ほど前のこと。
ボケを止めることなどできないと思っていた私。
その体験談はあまりにも衝撃的でずっと記憶の中にあって、いつかお困りの方のお手伝いができればと考えていましたが、私たち自身の問題ということもありますし、コロナによる夜の街の需要が減ったことインフレが加速することでお店の運営が危うくなってきたことなどから『廃業するならやっておきたかったことをしようね!』ということで始めたのがちょいカラサロン。
分かっているのはママの体験談だけであとは勢いというか、思いの強さだけ。
カラオケの健康効果とあわせてスナックバーちづるで得たノウハウのたった二つの武器?だけで見切り発車したことで苦戦が続くことに、、、😅
センスのなさと頭の悪さ。
赤字運営に非常に厳しい毎日を過ごしている訳ですが、今日はこれまでの運営を通して感じていることを書かせていただきたいと思います。
現在ちょいカラサロンをご利用をいただいているお客様の年齢層は後期高齢者と呼ばれる75歳以上の方で『QOLを意識されたアクティヴシニア』に分類される方がほとんど。
ちょいカラサロンをご利用いただかなくてもこれまでの努力を継続されることで認知機能の著しい低下を招くことは恐らくないだろうと思える年齢を感じさせない方ばかり。
問題なのはフレイルや認知症のお勉強を進める中で真剣に予防・対策が必要だと強く強く感じているのがノンアクティブシニア。
お友達に誘われて『閉じこもり気味生活・生活リズムの変化に乏しいノンアクティヴシニア傾向の強い』方数名がちょいカラサロンにお越しいただいたことがありましたが、何度も同じ話をされたり、ご自身の年齢を言い間違えるほか、被害妄想的なお話をされる方もいらっしゃれば、そうした方の場合でも最近になって歌うことの楽しさを知り、積極的に外出されるようになったという方もいらっしゃいました。
その他、認知機能の低下は見られなくても足腰が弱ることにより歩行困難であるとか、嚥下機能の低下によるものと思われますが咽る回数が多いなど、身体的機能の衰えを感じる方が多かったように思ったんですね。
積極的に外出されるようになった方の場合でも初めてお会いした時は認知症を公表された橋幸夫さんのような顔つきをしていらっしゃって、私たちの簡単な問いかけにも思い出すことが難しい様子。
どの程度が軽症なのか、回復できるポイントにあるのか、ないのかは個人差もあるでしょうから分かりませんが、新しくリリースされた曲を覚えようとすることで少しずつ意欲が回復したのでしょう。
新たな取り組みを始められたことで脳が活性化されたのだと思います。
こちらの方は少しずつ回復をされているようで認知症特有?の顔つきに変化が見られるようになりました!😊
上記リンク記事もそうですし先ほどの方の場合でもそうですが、閉じこもりがちなシニア、ノンアクティブシニアの場合、認知機能の低下リスクは大きいように感じていて、その予防・対策は早ければ早い方が良いことは分かりますが、身近な問題ということもあって色々考えてみると『会社員の場合、定年される頃から始めるのが良いのかな。』ということを感じています。
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実は、この「意欲の低下」こそ、老化でいちばん怖いことなのです。病気やけがをきっかけに老け込んでいくということもありますが、加齢とともに意欲の減退が要因となって一気に年老いていくのです。
こうした「意欲の低下」が顕著になるのが、まさに70代といえます。つまり、70代から80代に向けて元気に過ごすことができるかどうかは、「70代においていかに意欲の低下を防ぐか」にかかっているのです。
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75歳の堀内孝雄、体力の衰え告白「人生100年とか考えられない。今すぐ死にそうになっちゃう(笑)」
「昔できたことが70歳超えた途端できなくなる。散歩もするし家で自転車もこいでるけど、歩いててよろけたりすることもある。60代と70代の違いってこんなに出るんだなと実感としてあるよね」
先日、70前半の方の異変についてブログより書かせていただきましたが、離職を機に意欲の低下・認知機能の衰えが始まったようですから65歳を超えた辺りからフレイル(身体的・精神的・社会的)対策を始めることに効果があって、この三つは密接に関係していることからバランスよく取り組むことで効果を発揮すると感じつつ、実際には難しいと感じているのが精神的・社会的フレイルの予防。
身体的フレイル対策は運動などを継続することで予防できますが、加齢や喪失感など意欲低下による精神的フレイルや社会的なつながりが薄くなることで起きる社会的フレイルを予防することはその方のそれまでの習慣や性格に依る部分がとても大きなことだと感じていて、こうしたことはちょいカラサロンの来店状況からも感じていること。
お誘いすることは出来ても無理やりお連れすることはできませんしね。
ですので『縁』というのか、私は『運?』のようなものもあると考えるようにしていますが、「私、初対面なのにこんなに話しちゃって、、、」とスッキリした表情でお帰りになられたお客様。
長年軽い鬱症状で悩んでいらっしゃったそうで、新聞の記事で私たちの取り組みを知りお越しくださり、以降定期的にご利用をいただいていますが、先日も「あの時、ここにきて本当に良かった!」と嬉しいお言葉をいただくことができましたが、こちらの方もやはりノンアクティヴシニアだったんですね。
まだお若い方ですので精神的フレイルということはなさそうですが、内向的な方のようですので社会的フレイルに近かったのかも知れません。
歌の苦手な方ですのでカラオケのご利用はありませんが、ランチしながら色々なお話をされることで少しずつ気分が晴れたのだと思います。
誰にも言えない苦しさを抱えていらっしゃったようで少しずつでも発散できたことで鬱症状から少し抜け出すことができた!とお喜びいただけたことは本当に良かったこと。😊
抱えている問題を第三者に話すことを躊躇われる方も多いと思いますし、私たちの場合初対面でしたしね。
この方自身、ちょいカラサロン・私たちを信頼して下さったことも大きかったと思いますし、ママのおおらかさも良かったと思います。
相性というのも縁のひとつということを思うと、すべての方に同様の効果をお感じいただくことは出来ないと思いますが、店内の雰囲気やお客様の表情、私たちの接し方などからご判断をいただければと思います。
積極的宣伝活動をしないまま運営していることからスナックバーちづる同様、閑古鳥にとって心地良い場所と認定されてしまっているちょいカラサロンですが、今日お話をさせていただいたような取り組みは連日賑わうお店では決して出来るものではありませんものね。
物価は毎月のように上がっていますし、シニアの方の場合、特にお財布の紐は固いと言われている中、厳しい運営が続いている訳ですが、それでも300円/時間で運営することができるのはスナックバーちづるを愛して下さるお客様のおかげによるもの。
ちょいカラサロンで得たノウハウをスナックバーちづるをご利用下さっているお客様のこれからの健康管理に活かしていただけるよう頑張りたいと考えています。💪