「こどものしんどさは、親のしんどさ」。生活困窮世帯のこどもとその親を、「自分ごと」として支えていく〜NPO法人西成チャイルド・ケア・センター
川辺:
私自身、二人の子を育てながら活動を続けてきました。家族の理解があったからこそです。帰宅は深夜を過ぎることも多く、クタクタの状態でたまに実家に帰ると、母親が「おつかれさま」と晩ご飯を出してくれる。座っていたらご飯が出てきて、何なら「いつも大変やから、あんたは動かんくていいよ」と労ってくれる。本当にありがたいです。
私には全力で頼れる人がいます。けど、しんどい家庭の親御さんたちには頼れる人がいない。それはどうなんでしょうか。
──確かに。
川辺:
こども食堂を始めた頃、「こどもからお金もらわんのはわかるけど、親からはお金もらいや」とか「親も(食事を)無料にしたら、親のためにならへんで。甘やかしたらあかん、依存するで」と言われることがありました。
でも、甘えることの何があかんのでしょうか。依存することの何があかんのでしょうか。私も実家の母に頼りきりです。私は「よかったね」とか「がんばってるね」と言ってもらえるのに、一体何が違うんでしょうか。
過去に起きたことと人は変えることはできませんが、周りの「関わり」が変わった時に、人は変われるんだと思っています。変われないのではなく、変われる環境にないだけなんやと思っています。考え方ひとつで、もしかしたら「あの時はしんどかったけど、今そのおかげでこれができるな」といったように、過去の捉え方も変えられると思っています。