街から、選べるものが少しずつなくなっていく。

0828国分22時

昨夜、22時頃、国分中央を車で走りました。
信号も、お店の灯りもついていて、車もそれなりに走っています。

金曜日の夜なのですが、歩いている人は本当に少ないんですよね。

居酒屋さんも早い時間に灯りを消しているお店を見かけるようになりましたが、
お店ごとに事情がありますから、それだけを見て何かを判断することはできないんですけれどね。

それでも、夜の国分を走っていると、
少しずつ何かが変わってきていることを感じます。

参考までに、その翌日の国分駅周辺の人の動きも見てみました。

2026年8月30日 国分駅周辺 人流データ

2026年8月30日9時~10時時点で表示した、直近24時間の国分駅周辺の人流データ。オレンジ色が前年、青緑色がリアルタイムの値です。出典:人口マップ お試し版。

このデータを見ても、21時台から深夜にかけては、
おおむね1,000人前後で推移しています。

もちろん、これは国分中央の通りを歩いている人の数ではなく、
国分駅周辺の一定のエリアにいる人の数ですし、
私が写真を撮った金曜日の夜とは別の日ですから、
そのまま比べることはできません。

ただ、週末の夜でも、
夜になるにつれて大きく人が増えているようには見えないんですね。

気になったので、2年前の国分駅周辺の人の動きも見てみました。

2024年8月17日、土曜日のデータです。

2024年8月17日人流データ

2024年8月17日(土)の人流データ。天文館通駅・川内駅・帖佐駅・国分駅・鹿屋市役所周辺について、一日の人の動きを比較したものです。出典:人口マップ お試し版。

国分駅周辺の一日の動きを見てみると、
午前中には1,400~1,500人ほどになる時間帯がある一方で、
夕方から夜にかけて少しずつ減っていきます。

夜になると1,000人前後…
時間帯によっては、それを下回っています。

これは、その時間に通りを歩いている人の数ではなく、
一定のエリアにいる人の数ですから、
写真に写っている人の数と、そのまま比べることはできませんが、

夜になるにつれて人が少なくなっていく様子は、
実際に街を走っていて感じるものと、データが重なるところがあるんですね。

同じ日の他の地域を見てみると、
天文館通駅周辺では、夕方から夜にかけて人が増え、
21時から22時頃には1万人近くになっています。

川内駅周辺でも、この日は夕方から人が増え、
夜に大きな山ができています。

帖佐駅周辺も、大きな増加ではありませんけれど、
夜まで人が残っています。

ところが国分駅周辺では、夕方から夜になるにつれて人が少なくなっていきます。

もちろん、一日だけの数字ですから、イベントの有無もあるでしょうし、
街のつくりもそれぞれ違いますので、

この数字だけを見て、どこの街が良いとか悪いなど、
一概には言えないのですが、夜になると人が集まる地域もあれば、
反対に、人が少なくなっていく地域もある。

そうした違いがあるんでしょうね。

霧島市は、「鹿児島県で2番目の都市」と言われています。

人口で見れば、鹿児島市に次いで県内2番目ですから、
間違いではありませんが、人口の順位だけでは、街の姿は分からないように思うんですね。

霧島市はとても広い街で、600平方キロを超える市域がある訳ですが、
多くの人が暮らしているのが、国分や隼人辺りですよね。

霧島市の人口の半分近くが国分に暮らしていて、隼人まで合わせると、およそ8割になりますから、
霧島市の中で、国分地域は人が集まっている側の街。

12万人ほどの人が霧島市で暮らしているからといって、
国分の中心部に人が集まって暮らしているわけではありませんし、
夜だからといって、国分中央へ人が集まってくるというわけでもありません。

人の動きを見ていると、
人口の多さと、街の中で実際に人が動いていることは、同じではないことを感じるのです。

ちょいカラサロンをご利用くださるシニアのお客様とお話をしていると、
「昔とは全然変わったよ」そんな言葉を聞くことが多くあります。

長くこの街で暮らしてきた方には、
今の国分は、昔と比べてずいぶん違って見えているのだと思います。

良くなったというより、
「昔は映画館もあったのに…」と、
なくなっていくものが多いことを嘆いていらっしゃる方が多いように思うんですね。

この数年でも、撤退したお店もあれば、廃業されたお店もあります。

街ですから、お店がなくなって、また新しいお店ができるというのは、
普通のことなのでしょうけれど、
なくなったお店の数を、新しいお店ができることで、その穴を埋めているようには感じられないんですね。

一軒なくなって、すぐ新しい一軒ができる。
一軒なくなったまま、何年間も何もできない…

そうしたことが少しずつ積み重なって、
気がつけば、街で選べるものが、少しずつ少なくなってきているように感じるんですね。

一度に大きく変わったのであれば、誰にでも分かると思うのですが、
去年より一軒少なくなる。少し経つと、また一軒なくなる。

そんなに長い期間じゃないのに、しばらくすると、
そこにお店があったことさえ忘れてしまって、「何があったんだろう」って、
すぐには思い出せないことがあるんですよね。

そんな小さな変化が積み重なって、
「なんだか昔より寂しくなったね」という街になっていくような気がするんですね。

これは、夜の街を見て感じていることではなくて、
霧島に来てからの15年間を振り返ってみて、強く感じていること…

飲食店も、小売店も、
暮らしの中で利用していたいろいろなお店がなくなりましたものね。

新しくできたお店もありますが、なくなったものと同じだけ、
新しい選択肢が増えているかというと、私には、そうは感じられないのです。

たった一軒、お店が消えただけ。

そう見えるのですが、
「この街で選べるものが、一つ少なくなる」ということが怖いというのか、
不安を感じるとでもいうのでしょうか。

霧島市全体で人口が少しずつ減っていること、
高齢化も進んでいること、若い人が地域の外へ出ていくことなどが課題になっていますが、

若い人が少なくなれば、お店を利用する人が減るだけではなく、
そこで働く人も少なくなりますものね。

残った若い世代だけで、今ある街のいろいろなものを、
これから先も維持していけるのかなぁ。

なんて、
そんなことまで考えてしまいます。

隣の姶良市では、人口がわずかながら増えているようで、
若い子育て世代の転入も見られるそうですが、姶良市が良くて、霧島市が悪いというお話ではありません。

仕事だったり、家族だったり、住まいだったり、
暮らす場所を選ぶ理由は、いろいろなものがあると思うのですが、

「どこで暮らそうか」と考えたとき、
選択肢が多くあるところを選ばれる人が多いと思いますし、
選択肢の多さは「街の魅力」のひとつですものね。

そう考えると、人口が減っていくことと併せて、選択肢が減っていくことが気になるんですね。

人が少なれば、利用する人が少なくなって、商売を続けることが難しくなります。
そうなれば、営業時間を短くするお店も出てくるでしょうし、
撤退したり、廃業したりするお店だって、増えてしまうと思うのです。

一気にそうなる訳ではなくて、
ジリジリと進んでいきますので、なかなか気づきにくいものだと思うのですが、
それでも街で選べるものが少なくなってくると、
できることも、少しずつ少なくなってしまいますものね。

気にすることもなかったお店の廃業と、
何年も空き地のままになっていた土地に新規開店の看板がやっと立った…

こうした小さな変化、循環がゆっくり進んでいくことで、
街の魅力を少しずつ削っていくとでもいうのでしょうか。

人が減るから、お店が減る。
お店が減るから、選択肢が減る。

選択肢が減ることで、
また人が少なくなる。

もし、そんな負の連鎖が始まってしまったら、止めようとしてみたところで、
時すでに遅しといいますか、相当な投資が必要になるのでしょうし、
そうなってから元に戻そうとしても、それは簡単なことではありませんものね…

これは、スナックや居酒屋だけのお話ではなくて、
昼間の飲食店、小売店、サービス業すべてを含めていえること。

利用する人がいて、そこで働く人がいて、初めて続けていくことができるんですものね。

夜の国分から人が少なくなっていること。
昼間のお店が一軒なくなること。
若い人がこの地域を離れていくこと。

それぞれ別のお話のように思いがちですが、
どこかでつながっているもので、何かが消えていくということは、
一つの小さなサインなのかもしれないと私は思うのです。

「国分はもう駄目だよ。」
そんなことをよく耳にしますが、
そんなことを書きたいわけではありません。

この先もここで暮らしていこうと思うと、
少しずつ選べるものがなくなっていくことが気になるんですね。

昼も夜も、大きなお店も小さなお店も、
「今日はどこへ行こうかな」そう迷えるくらいの街であって欲しいと思うのです。

「鹿児島県で2番目の都市」

人口だけを見れば、確かにそうですよね。

ですが、何番目かということより、
そこで暮らす人が、どれだけいろいろなものを選べる街であるかということの方が大切なように思えるんですね。

食べる場所を選べて、買う場所を選べる。
遊ぶ場所を選べて、誰かと過ごす場所を選べる。

「最低限、必要なものは揃うからね」という方もいらっしゃいますが、
暮らせる街と、暮らしたくなる街は少し違うと思うのです。

そうした積み上げがあって、
この街で暮らすことそのものを、選んでもらえる。

そんな街であり続けるためには、大きな施設だけではなく、
街のあちらこちらにある小さなお店の存在も大切だと思うのです。

私たちも、その中の一軒ですが、
ちづる一軒が灯りをつけたところで、国分の人口が増えるわけではありません。😅

ちょいカラサロンを続けたからといって、
若い人が街を離れなくなるわけでもありません。

でも、小さなお店が一軒なくなるということは、
一つの選択肢がなくなるということでもあるんですよね。

一軒だけを見れば、それほど大きなことではないのかもしれませんが、
そうした一軒、一軒の積み重ねが、街の姿を作っているように感じるのです。

ちづる自体、この先どうなるのか分かりませんが、
それでも、今ある小さな選択肢、個性をできる間は残しておきたくて、
ほんの少しだけですが、意味があるのかなと思っています。

夜の国分中央を走りながら、少なくなった人の姿と、
それでも残っている街の灯りを見て、
初めてこの街へ来た頃よりも寂しくなっていることを改めて感じました。

「霧島には、選べるものがたくさんある。」

そう思える街であってほしいな。

今日も好き放題書かせていただきましたが、
魅力ある霧島のために努力されている皆さんに叱られませんように。

ということで。
おしまい。


※人口等については、霧島市・鹿児島県・姶良市の公表資料を参考にしています。人流データは特定日の状況であり、地域全体の恒常的な人出を示すものではありません。

出張や観光で霧島に来られた方で、
静かに過ごせる場所を探している方は、こちらもご覧ください。

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