居場所も意欲も、元気なうちから育てておくもの。
そう思うようになったのは、ちょいカラサロンを始めてからです。
シニアの皆さんと接するようになり、
「人はどう老いていくか」を目の前で見せていただく機会が増えました。
若い頃は、勉強も、仕事も、恋愛も、自分のために頑張ることができました。
「仕事もプライベートも充実させたい。」
そんな気持ちだけで、驚くほどの力が湧いてきました。
でも、歳を重ねると少しずつ変わってきます。
始めはそれを「老いなのかな。」と思ったこともありましたが、
歳を重ねた今でも、ちょいカラサロンを続けていきたいという気持ちは、若い頃と変わらないどころか、
より意欲的に頑張っていられることの理由を考えるようになりました。
そんな時、こんなことを考えるようになりました。
意欲というのは、自分のためだけに生きようとしても、
それほど大きな力は湧いてこないものなのではないか。
誰かに会いたい。
誰かが待っている。
誰かの役に立ちたい。
そんな「誰か」が、私たちを前へ進ませてくれるのではないでしょうか。
私たちは以前、
「スナックが本当に必要になるのは60代くらいなのかも。」
そう考えていましたが、現実は少し違うようです。
若い人たちはガールズバーやキャバクラへ足を運びますが、
それは、友達と楽しむため。
非日常を味わうため。
新しい出会いを求めるため。
そうした理由が多いのでしょう。
一方で、本当に居場所が必要になりそうな中高年ほど、
「自分はまだ大丈夫。」
「そんな所へ行く歳じゃない。」
そう言って足が遠のいてしまう方も多いようです。
ちょいカラサロンを始めてから、私たちは多くのシニアの方と接するようになりました。
そこで見えてきたのは、
「人はどう老いていくか。」
という現実です。
元気だった方が、少しずつ外へ出なくなる。
会話が減り、
意欲が落ち、
さらに外へ出なくなる。
入院などをきっかけに外出の機会が減ってしまう方もいます。
その一方で、人とのつながりを持ち続けている方は、
入院を経験されても、年齢を重ねても、生き生きと毎日を過ごされています。
もちろん個人差はあります。
それでも、会話を楽しみ、人とのつながりを持ち続けている方は、とても表情が明るいように感じます。
そう思うと、
人とのつながりは、筋肉と少し似ているのかもしれません。
元気なうちに育てておかないと、失ってから取り戻すのは大変です。
意欲も同じなのだと思います。
一度低下してしまうと、取り戻すまでには長い時間がかかります。
歳を重ねるほど、その時間はさらに長くなります。
そして、そのまま要介護状態へつながってしまう方もいます。
ちづるに通ってくださっていたお客様が、
定年を迎えた頃から少しずつ来店されなくなる。
「最近、お見えになりませんね。」
そんな話を耳にするようになり、
やがて家に閉じこもりがちになってしまう。
そんな場面を、私は何度も見てきました。
「居場所」は必要になってから探すものではなく、
元気なうちから育てておくものなのではないか。
そう思うようになりました。
以前、同業者の方から、
「お客はどんどん入れ替わっていった方がいい。」
という話を聞いたことがあります。
もちろん、それも一つの考え方なのでしょう。
でも、私たちの考え方とは少し違いました。
年齢を重ねると、
居場所があれば、どこでも満足できるわけではありません。
現役世代を主な対象にしたサービスはたくさんあります。
でも、中高年が自然体で過ごせて、
歳を重ねても安心して通える場所は、それほど多くないように感じています。
以前、noteにも書きましたが、このことはスナックにもよく似ています。
若い頃から来てくださっていた方が、定年を迎え、
70代、80代になっても、
「お久しぶりです。」
と変わらず帰って来られる。
そうした場として、ちょいカラサロンを運営しています。
ちょいカラサロンは、シニアの健康や意欲の維持・向上、人とのつながりづくりを目的に始めたものですが、
続けていくうちに気づいたことがあります。
ちょいカラサロンを必要としてくださる方と、夜のちづるに通ってくださっていたお客様の年代が、
ちょうど重なってきたのです。
夜のちづるで出会った方が、人生の後半は昼のちょいカラサロンでまた顔を合わせる。
そんな光景を見るたびに、
「これで良かった。」と思います。
私たちは、
お客様が歳を重ねても、
「お久しぶりです。」
と帰って来られる場所でありたい。
家族ほど近すぎず、
他人ほど遠くない。
そんな関係を少しずつ育てていける場所でありたいと思っています。
居場所も、意欲も、
必要になってから急に手に入るものではありません。
元気なうちから、
少しずつ育てていくもの。
私たちは、ちょいカラサロンを続けながら、そのことを皆さんから教えていただいています。
だから今日も、ここが誰かの
「お久しぶりです。」
そう言える場所であり続けられるよう、
できるところまで。
居場所も、意欲も、元気なうちから育てておくもの。
そんな思いを大切にしながら、
今日も、ちづるらしく。
この思いは、
スナック「ちづる」と昼の「ちょいカラサロン」を続ける中で、
私たちが少しずつ教えていただいたことです。
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