
霧島に来たばかりの頃、
私たちには知り合いがいませんでした。二人での、静かなスタートでした。仕事が終わると、
毎晩のようにカラオケスナックへ足を運んでいました。
お惣菜をたくさん出していただけるそのお店は、
食事も兼ねて通う、
私たちにとって居心地のよい場所でした。
そんなある日、
お店のママに声をかけていただいた一言が、
すべての始まりだったように思います。
あのときの一言が、
今でも忘れられません。
——
あんたたち、
店やってみたら。
——
その言葉に、
背中を押していただいたような気がしています。
正直、驚きました。
夜の世界には、
どこか不安なイメージもあり、
それまで関わったこともありませんでした。
それでも——
「やってみようか」
そんな気持ちが、
少しずつ芽生えていきました。
そこから、
店舗探しが始まりました。
街の中心部はどこもいっぱいで、
見つかっても家賃が高かったり、
設備が古かったり…。
なかなか思うようにはいきませんでした。
そんな中、
少し外れた場所で
ひとつの物件に出会いました。
「ここ、どうだろう」
そう思ってドアを開けた瞬間、
独特のにおいと、
重たい空気を感じました。
正直に言えば、
当時の私たちには
少し不安を感じる空間でもありました。
ここで本当にやっていけるのか——
何度も悩みました。
それでも、
最終的に私たちは
この場所でやることを決めました。
ここから始めよう、と。
こうして、
ちづるは動き始めました。
この続きは、また次回に。
第二話はこちら(リンク)