居心地とは違う、心地の良い関係というもの。

お会計の際、実際の料金より多くお支払いいただくことがあります。

ほんの少しではなく、倍以上の金額だったり、
料金以上の価値のあるものをいただくこともあります。

利益になったから、嬉しいということではありません。

価値を感じていただけたのだとしたら、それは嬉しいことなのですが、
私たちの感じる嬉しさは、それだけでもないような気がするんですね。

以前、相互性ということについて考えてみたことがありますが、
長く人と付き合っていると、一方が受け取り続けるだけでは続かない関係って、意外と多くあるものなんですよね。

大切にしたいと思う関係であればあるほど大切にしたいもの。

相手のことも考える。
相手の喜びを願う。
そんな気持ちが行き来することで続いていく関係。

お店とお客様は本来、サービスと対価の関係ですから、
こういう関係は稀なことだと思うのです。

お代をいただくこと自体は当たり前のことですが、
それなのに、時折、料金以上のお気持ちをいただくことがあります。

嬉しいのは、お金そのものではありません。

「楽しかったよ」
「ありがとう」
「また来るね」

それ以上の言葉にならない気持ちをお金や品物という形でお返しして下さったのだと思うんですね。

自分のためだけではなく、相手にも何か返したい。
そんな思いが伝わってくる時があります。

気持ちが報われたというか、
伝わったという喜びが次の喜んでいただきたいに繋がるのは本当に嬉しいこと。

それは評価されたからではなく、
私たちが大切にしてきたものが、きちんと相手に届いていたのだと感じられるからなのかも知れません。

居心地の良さは作ることが出来るかも知れませんが、
幸せというのか、心地の良い関係というのは相手のあることですから、
作ろうと思っても作れないものですものね。

相手から何かを受け取ることではなく、
お互いの思いが静かに行き来する。

本当の喜びというのは、案外そんなことなのかもしれませんね。

サービスを売るものとしてではなく、
人としてこのお仕事をしてきて良かったと感じる瞬間のそんなお話でした。

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