昔と比べて10年以上若くなったと言われるシニア世代。
確かにその通りだと思います。
70代になっても旅行へ出かけ、カラオケを楽しみ、
車を運転し、元気に過ごしている方はたくさんいらっしゃいます。
でも、ちづるやちょいカラサロンを続けていて感じるのは、
”老いは思ったよりも早くやってくる。”ということです。
まだまだ先のことだと思っていても、
65歳を過ぎた頃から少しずつ変化の兆しが見え始めます。
友人や知人が入院したり、体調の変化を口にするようになったり。
以前のようには出歩かなくなったという話も耳にするようになります。
以前、
「70代以降は1カ月でも油断したらアウト…急に要介護になる人に共通する”ある失敗”」
という記事をご紹介させていただきました。
もちろん少し大げさな表現ではありますが、
70代になると、体力も気力も、思っている以上のスピードで変化していくように感じています。
では、その70代を元気に過ごすための準備は、いつから始めればいいのでしょうか。
最近、そんなことを考えます。
ちづるは今年で10年になります。
振り返ると、本当にあっという間でした。
けれど、生まれたばかりの子どもが10歳になる時間でもあります。
過ぎてしまえば短く感じるのに、振り返れば決して短くない。
10年というのは不思議な時間です。
そう考えると、
老いと向き合うことになる70代の10年前。
つまり60歳というのは、
『老いと戦う準備を始める時期』
なのかもしれません。
もちろん、
資金もあって、元気でいられることが一番です。
ただ、この「元気」というのは、体が動くという意味だけではありません。
気持ちが前向きでいられること。
誰かと話せること。
話せる相手がいること。
出かけようと思えること。
出かける先があること。
そうした精神的な元気も含めた意味で、
心のあり方というのは、肉体的な元気と同じくらい大切なことなのかもしれません。
そう考えたとき、それを維持するのはなかなか難しいことのように感じています。
というのも、歳を重ねると自分自身の問題だけではなくなるからです。
以下、リンクでも書かせていただきましたが、
世の中そのものが高齢者を相手にしなくなったと感じることもあります。
Note 世の中の多くのものが、自分に向かって語りかけていない
本人は元気でも、パートナーや家族が病気になることもあります。
友人が減っていくこともあります。
孤立や孤独という問題もあります。
加齢とともに友人は少なくなります。
現役世代向けの場所が増え、自分が気軽に行ける場所は減っていきます。
友人は入院したり、施設に入ったり、亡くなったりして少しずつ会えなくなります。
足腰が弱れば、行きたい場所があっても出かけること自体が難しくなりますし、
疲れやすさから外出を躊躇ったり、ついつい先延ばしにして、それが当たり前の生活になってしまう。
若い頃には想像もしていなかった気持ちの変化・寂しさが、そこにはあるのかもしれません。
ちょいカラサロンを始めた動機の一つに、
”シニアの居場所づくり”
があります。
図書館やショッピングモールで時間を過ごしているシニアの方々を見かけることがあります。
もちろん、それも一つの過ごし方です。
しかし、どこか現役世代に遠慮しながら過ごしているようにも見えることがありました。
シニア同士が気兼ねなく集まり、現役の頃と同じように話をしたり、笑ったり、歌ったりできる場所。
そんな場所の一つになれないだろうか。
そう考えて、ちょいカラサロンは当初、60歳以上限定でスタートしました。
世の中には高齢者向けの公共施設や福祉施設はあります。
けれど、一人の大人として自由に過ごせる場所となると意外なほど少ないように感じます。
歳を重ねると、行き場が減ったという話をよく耳にします。
だからこそ、
「今日はちょっと行ってみようかな」
そう思える場所があることには意味があるのではないかと思っています。
残念ながら、こうした私たちの思いは、
今まさに孤独や居場所の問題を抱えているすべてのシニアの方々に届くわけではありません。
インターネットにあまり馴染みのない世代でもありますし、
そもそも自分に必要な話だと思っていない方も多いでしょう。
けれど、
これから老いと向き合うことになる50代や60代の方々ならどうでしょう。
この世代はインターネットにも明るく、自分の将来について考え始める時期でもあります。
定年後も、人付き合いは現役時代の延長線上にあると思っている方は少なくありません。
ところが実際には、退職を境に人とのつながりは思った以上に急激に減ってしまうようです。
職場という共通の場所がなくなるだけで、会う機会も連絡を取る機会も減っていく。
それは想像以上の変化なのだと思います。
だからこそ思うのです。
70代になってから居場所を探すのではなく、
60代のうちから、できればもっと早いうちから、自分の居場所をいくつも持っておいた方がいいのではないかと。
趣味でもいい。
仲間でもいい。
地域の集まりでもいい。
そう思うと、
買い物などの利便性もそうですが、
シニアほどそうした機会・可能性の多い街暮らしが良いと思うのです。
今はカラオケ色が強いイメージのちょいカラサロンですが、
試行錯誤を繰り返しながら、そんな居場所の一つになれたらと思っています。
老後は70歳から始まるのではなく、
60歳頃から静かに始まっているのかもしれません。
だからこそ、
老いと向き合う準備は元気なうちから。
10年後の自分のために。
これは、お客様のためだけの話ではありません。
私たち自身のためでもあります。
10年後の自分たちが、
「今日はちょっと行ってみようかな」
そう思える場所を残しておけたら。
最近はそんなことをよく考えるのです。
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