清く正しく。泥臭く。

路地裏

画像は7年前のもの。
赤地に黄文字で『飲んで 歌って 2500円』というあまりにも下品な看板を掲げてのスタート。

タイムラインでは上記リンクをよく貼らせていただいていますが、今日は開業から今日に至るまでの紆余曲折についてお話をさせていただきます。

開業前によく通っていたスナックは良心的な価格から連日大賑わい!
週末などは満席で入ることが出来ないほどの超人気店!
価格もさることながら、十分すぎるほどのおもてなしから、いつ行っても入れないほど!😊


※画像はイメージ

毎日のように通っていましたが、その分の費用があればお店ができるかも。と思い、そのお店のママに相談をしてみると、仕入れ先や係る経費のことなどを親切に教えていただくことができました。

移住をしてきた私たちの知人らしい知人といえば、そのお店を利用されている方くらいしかいなかったこともあり、お店を始めればお友達を増やすことも出来ますものね!

なんともいい加減な動機からスタートしてしまいました。😅

ですので当初は利益というのでしょうか。
お店の運営に係る経費さえ賄うことができればいいよね。という考え。

『毎日でも通えて、温かさをお感じいただけるお店』にもしたいという思いから、大皿にお惣菜をいつくも並べ、お客様の目の前でホットプレートを使って調理したり、ピザやたこ焼きを焼いたこともありました。

ホームベーカリーで作った焼き立てパンをお土産としてお渡しをさせていただいていたのもこの頃。
大きな鉢に色々な駄菓子をいっぱいに入れて、自由にお召し上がりいただけるようにするなど、これらすべてを2500円の範囲で賄うようにしていましたが、私たちの気持ち・考えとは別に店内はメチャクチャに、、、

焼酎サーバーやボトルに用意した焼酎はグラスから溢れるほど。
遊び半分で注ぎ入れる方や、お惣菜は味の好みが鹿児島とは違っていたということもあると思いますが、無駄に消費される方も多くいらっしゃいました。

駄菓子はお持ち帰りをいただいても構わないよう、ご用意をさせていただいていましたが、あまりにも度を過ぎた量をお持ち帰りになられる方もいらっしゃって、私たちの考えが甘すぎたことを痛感。

箸置きなどの細々した備品を持って行かれてしまうこともよくありましたし、トイレは汚し放題で、調度品も乱暴な取り扱いからいくつも壊れるばかり、、、😭

千鶴は風俗営業の許可を得て開業をしましたが、接待にあたる接客、営業は極力抑えたいという考えから、表向きは一般飲食店としてカラオケを主体として接客をさせていただいていましたが、こうしたことはお客様には分からないこと。

女性が接客を行うということもありますし、お店は半分居抜き状態ですからスナックに見えて当然。

ですのでご利用下さるお客様には『安く飲める店』と映っていたようで、そうしたことが原因のひとつということもあったと思います。
疑似恋愛を楽しみたい方、性的欲求度、興奮度を満たしたいというのか、高めたいとでも言うのでしょうか。

そうした感覚をお持ちの方のご利用もあって、これらは私たちが予想もしなかったこと。

『国分での噂話は明日の朝には広まるからね』
これは当時、ご利用のお客様からよく伺った言葉ですが、一度滑り始めたお店ですしね。
※当時誰もが言われていた言葉は今は全く聞くことはありません。

良くない評判が立つことで来店が減ってしまってはいけないという思いも強くあり、セクハラまがいの行為やストーカー的行為などに悩まされることも多くありましたが、そんなお話をよく聴いていただけにスタイルの変更をする勇気が私たちになくて、ズルズルと店舗運営を続けることに。

数年後、夜の世界で長く働かれていた女性がちづるに力を貸してくれるようになりましたが、
千鶴に来る前、彼女が働いていたのは高級店に分類されるお店ということもあったのだと思います。

『ママ! いくらなんでもここまでしてるのに安すぎますよ!』と強いアドバイスをいただいたことから、500円の値上げと、サービスの見直しに着手したのがこの頃だったと思います。

わずか500円と思われるでしょうが、連日の賑わいが嘘のように消えてしまいました。
新しいお客様にご利用をいただけるようになるまで1年以上かかったと思います。
このままだと潰れてしまうかもと思いながらも、スタイル変更をしなくては先々やっていくことは困難だと思いもあって、みんなで頑張りましたが、今思うとコロナの次に苦しく、とても長い時間でした。

彼女のアドバイス通り、ボトル棚にウイスキーや少しだけ高価な焼酎を並べた時、それを嬉しそうにじぃ~っと眺めていた彼女は今でも私たちの大恩人。

それまで勤めていたお店では彼女の律義さはお店側に便利に使われていたようで、そうした環境から決別したいという強い思いと、あまりにも不甲斐ない私たちが気の毒に見えたのだと思います。

年齢的には私たちよりずっとお姉さんでしたが、夜の世界における知識・人脈は豊富でしたし、私たちのあまりの頼りなさから随分、力を貸してくださいましたが、健康上の問題から残念ながら縁がなくなってしまいました。
ありがとうA子さん。🙏

リンクの彼は2500円から500円の値上げ、スタッフドリンクをいただくというスタイル変更までずっとお付き合いを下さいましたお客様ですが、彼のあまりの傍若無人ぶりにはお店を畳まなくてはいけないかも。と思うほど悩まされることも多くて、ここまで本当に色々なことがあり過ぎました。😅

多くの犠牲を払うことになりましたが、スタイルの変更をしていく中でこれまでの状況から少しずつ解放されて、新しい出発だね!と喜んだ頃に始まったのがコロナ騒動でした。

お店のスタイル変更も定着しつつあり『来年は頑張ろうね!』と話をしていた矢先のこと。
年明けと同時に街の様子は暗くなっていくばかり、、、😭

お店の運営どころか個人の生活もままならないほど。
休業に係る給付金や各種補助金でどうにか生きていられるというものでしたが、そうした中でもご利用下さるお客様にお支えをいただいたことで廃業の選択をすることなく、コロナの分類変更まで過ごすことができました。🙇‍♀️

今はコロナ禍をお支え下さいましたお客様へのご恩返しのとき。

そうした思いを持ち続けていられるのはコロナ騒動と昨今の物価の高騰によるものというのはとても皮肉なことですが、8年前には悪評しかなかったちづるでしたが『ここは客層がいいよね』と、多くのお客様に仰っていただけるようになって思うことは『謙虚にして驕らず』ということ。

高級ではなく、上質

力の乏しい私たちですが、今できる精一杯を尽くして、今後、より一層 上質なお店を作って行きたいと思うのでした。😊

最後に。
飲んで 歌って 2500円!をあのまま続けていたらコロナの前に廃業していたと思いますし、コロナを乗り越えることができたとしても、今度は物価高騰で廃業の選択をせざるを得なかったと思うと、スタイルを変えることができたのは『人とのご縁と運?』だったと思うのです。

欺いたり、騙したり。奪ったり。
それをすることで命を繋げることもできたのでしょうが、繋げるのではなく、繋げていただくということが大切なことで、繋げようとすれば、良いご縁も不思議な力をいただくことも出来なかったと思うのです。

いつまでも清く正しく。泥臭くありたいと。
場末も場末にあるちづるが唯一、生き残るための術ということなのでしょうね。😅

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