第23話|新しい家族のような存在|スナック千鶴物語

スナック千鶴物語 第23話
霧島市国分「スナック千鶴(現在のちづる)」の実話をもとにした物語です。



第23話|新しい家族のような存在|スナック千鶴物語

千鶴(ちづる)はこれまで多くの女の子にお手伝いをしてもらいましたが、
神様が遣わせてくださった彼女以上の人に巡り合うことはできませんでした。

同じ時代を生きて来たということなのでしょうか。

お仕事に対する姿勢や考え方が似ていて、
阿吽の呼吸以上の働きをしてくれて、
業界の経験や知識も豊富。

それでいて控えめで、
私たちを立ててくれる。

そんな人との出会いは、もうないと思っていました。

そんな頃に出会った彼女。

母娘ほど年の離れた女の子でしたが、
明るく元気で前向きで。

仕事に対する姿勢も、
それまでお手伝いをしてくれていた女の子たちとは全く違うものでした。

そんな彼女とはお仕事をしている時だけの関係でしたが、
もっと話してみたい。

そんなことを思わせる不思議な魅力のある子でした。

彼女に会えるのは週末だけでしたが、
お仕事のない日に遊びにおいでよと誘うと、
その気前の良さに驚かされました。

たくさんのお酒やお菓子を買い込んで、
周囲のお客さんにご馳走したり、
自分より周りを優先したり。

その気前の良さと気風の良さは、
男性のお客様以上かもしれません。

そんなところも私たちと似ていて、
彼女との距離は急速に縮まっていったように思います。

休日は自宅に招いて、
一緒にお酒を飲んだり、
バカ話をして笑ったり。

子供以上に年が離れている彼女ですが、
とても人懐っこくて、機動力もあって。

昔、飼っていた猫のような。
そんな雰囲気。

そうしたことはお客様にも伝わったのでしょう。

はじめは興味を示されなかったお客様も、
次第に彼女の魅力が伝わったようで、
皆さんとても大切にしてくださいました。

彼女のそうした働きや頑張りを見ていると、
神様が遣わせてくださった彼女が、
私たちを心配して引き合わせてくれたのかもしれない。

そんな気持ちになることもありました。

温かい気持ちで過ごせる時間。

そんな時間が増えていく度に、
何か新しいことが始まる予感がしていました。

今思えば、
あれは次のステップへ向かう合図だったのかもしれません。

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