スナック千鶴物語 第24話
霧島市国分「スナック千鶴(現在のちづる)」の実話をもとにした物語です。
第24話|幸せな旅立ちの知らせ|スナック千鶴物語
私たちの強い喪失感は、
彼女との関わりの中で少しずつ薄れていきました。
心の整理もつき始め、
神様が遣わせてくれた彼女の幸せを祈る余裕もできました。
ちづるをご利用くださるお客様は、
オープン当時と比べるとうんと少なくなっていましたが、
その反面、
お客様の満足度は高くなっている。
そんな手応えを感じるようになっていました。
彼女との付き合いも一年近く続いた頃だったと思います。
ある日、
「来年の春に結婚することになりました」
と報告を受けました。
しかも結婚と同時に県外へ移り住み、
ご主人と新しい事業を始める準備をするというのです。
突然の報告は嬉しくもあり、
寂しくもありました。
夜の世界にいる私たちが言うのも変な話ですが、
親ではありませんが、やっぱり幸せになって欲しいという気持ちでした。
結婚して、
ご主人と一緒に事業を立ち上げる。
そんな新しい冒険を応援することが、
これまで頑張ってくれた彼女に私たちができる唯一の恩返しなのかもしれません。
複雑な気持ちを抱えながらも、
春の退店までみんなで頑張ろうね。
そう誓い合ったことを覚えています。
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