稚拙な検証。

●2021/09/07 更新



飛沫はどのように流れていくのだろうか。

空気の流れを可視化してくださる専門の会社もあるようですが、費用もかなり掛かりそうですしね。
フォグマシンなどのレンタルも考えましたが、お店の会計は相変わらず緊急事態宣言継続中、、、
地味にコツコツ。タバコの煙を飛沫に見立て、風がどのように動くのかをじっくり観察してみました。

こうすればこうなるはず!から試行錯誤で取り組んできた店内の空気の流れづくりでしたが、
テストを重ねることで新しい発見をすることもできました。
夏休みの自由研究のようなテストですが、その結果についてご報告させていただきたいと思います。


●テストは以下、実際の営業と同条件で行いました。

・6月13日 午前中 / 風速1m
・サーキュレーター / ボルネード 660-JP × 3台 風量 : 中2台 強1台
・サーキュレーター / ボルネード 360-JP 風量 : 中
・加湿空気清浄機 / SHARP KC-Z45 : プラズマクラスターシャワー運転
・エアコン / 富士通ゼネラル AS-V71J2W 風量 : 弱
・卓上ファン / 使用せず
・パーテーション / w950mm×h620mm(窓300mm×200mm )×5枚
・袖ありタイプパーテーション / w450mm×h650mm(袖出幅200mm)×2枚
・玄関ドア開閉面積 / w920m×h2325mm 130mm開放
・滑り出し窓開閉面積 / w550mm×h580mm 3窓共全開放
・煙吹き出し高さ / テーブル面から300mm
・煙の方向 / 正面のパーテーションに向け水平、やや下方向の二通り



●紫色で示した座席における煙の流れ
こちらの座席ではカウンター上から座席右側に設置した空気清浄機の吸気口に向かい下方へ流れるものと、パーテーションに設けられた小窓を通り抜ける二つの煙の流れを確認することができました。

続いてパーテーションに向けて強く煙を吹きかけてみたところ、パーテーション沿いに上昇する煙も確認できましたが、大半は上記のように流れ、パーテーション沿いに上昇したわずかな煙はエアコンと空気清浄機から吹き出す風によって左方向 窓側へ流れることが確認できたほか、左隣の座席に与える影響が極めて少ないことを確認することができました。

実際の営業では座席と座席の間へ卓上ファンを設置・運転させることで更なる感染のリスクの低減を図るようにしています。


●黄緑色で示した座席における煙の流れ
こちらの座席における煙の流れは、パーテーションに沿って立ち上がり左方向 窓側に流れるものとパーテーションの小窓を通り抜けるものに加え、袖ありタイプのパーテーションに沿って座席後方へ流れる三つの煙の流れを確認することができました。

パーテーション沿いに立ち上がった煙とパーテーションの小窓を通り抜けた煙は左方向 窓側へ流れ、袖ありタイプのバーテーション沿いに座席後方に流れた煙は座席背面から30cmほど離れた辺りから、空気清浄機の吸気口に向け下方に流れるものと、微かにエアコンと玄関近くに設置したサーキュレーターへ上方向に流れることが確認できました。

なお、後方へ流れる煙の量はパーテーション沿いに立ち上がるものとパーテーションの窓を通り抜けるものと比較して、ごくわずかな量でしたのでボックス席への影響も少ないことが分かりました。
カウンターテーブル席とボックス席の間を風が流れるよう、後日サーキュレーターの追加を予定しています。


橙色で示した座席における煙の流れ
こちらの座席における煙の流れは、黄緑色の座席と同じように正面のパーテーションに沿って立ち上がるものと、パーテーションの小窓を通り抜けるものの二つで共に左方向 窓側へ流れることを確認しました。

なお、袖ありタイプのパーテーション沿いに座席後方に流れる煙を確認することができませんでしたが、実際の営業では隣席に与える飛沫の影響を考え、必要に応じて卓上ファンを運転させています。


桃色で示した座席における煙の流れ
こちらの座席では、座席の左側に設置したサーキュレーターに煙の大半が吸い込まれることを確認しました。
パーテーションに向かって強く煙を吹きかけてみましたが、煙はパーテーション沿いに立ち上がると同時にサーキュレーターへ吸い込まれることを確認したほか、パーテーションの小窓を通り抜ける煙は確認できませんでした。

なお、右隣の座席から流れる煙は確認できませんでしたが、サーキュレーターの吸い込み量が大きなことから飛沫の影響を受けることも考えらることから、実際の営業では座席間に卓上ファンを運転させることでリスクの低減を図るようにしています。


茶色で示した座席における煙の流れ
店内の空気が集まることからリスクの高さを懸念していたこちらの座席でしたが、煙の大半は右側に設置したサーキュレーターに向けて流れることが確認できました。

当初、座席後方の窓から煙が排出されると考えていましたが、微かな風がこちらの窓から流れ込むことで、煙はパーテーション押し付けられるように流れ、壁に当たった煙がパーテーション裏側へ回りサーキュレーターに向けて流れることを確認しました。
この際、煙がスタッフの口元近くを流れることを確認しましたので、サーキュレーターに向けて卓上ファンを設置することでリスクの低減を図るよう改善しました。

※後日、窓からの外気流入の有無を確認したところ同様の結果となりました。

※上記画像と現在のパーテーション、サーキュレータの設置位置は異なります。


スタッフの座席における煙の流れ
カウンター内、スタッフの座席における煙の流れは間口方向において、その大半はカウンター内に設置したサーキュレーターの風量により勢いよく左方向 窓側に流れ、パーテーションの小窓を通り抜けることでお客様の座席へ流れ出す煙は確認できませんでした。

また、スタッフは飲食時以外、不織布マスク着用をしているほか喫煙者もいませんが、店内の状況に合わせてサーキュレーターの風量を上げることにより、さらなるリスク低減につながることも分かりました。


●2021/6/17 更新
ボックス席における煙の流れと感染のリスク
ボックス席における煙の流れは下図、緑色の線で示した通りドア近くに設置したサーキュレーターからテーブル上のサーキュレーターを経由して窓から排出されるものと、対面する窓から排出される二つの流れを確認することができました。

ボックス席では感染のリスクを低減させるためにお客様とスタッフの間をサーキュレーターの風が通り抜けるよう設置のほか、奥行1200mmのテーブルを設置することで人と人との距離の確保に努めていますが、こちらの記事でもご説明をさせていただきました通り、第三者認証制度のチェック項目ではテーブル上へ『十字型、キ字型のパーテーションを設置』を求められています。
弊店の座席配置の場合、パーテーションを設置することで風の流れが遮られ飛沫が拡散する恐れがあることから設置をしていません。

ボックス席間口方向、赤枠で囲んだ座席ご利用の場合、風の流れにより煙は窓方向に向かうことから、奥行方向では風の影響を受ける割合が高くなることも確認できましたので、『ドア側の座席を利用されている場合』については、奥行方向の座席の利用を制限をさせていただくことにしました。
※カウンター席の赤枠で囲んだ座席は原則として制限をさせていただいています。

●2021/7/24 更新

上記記事でもお知らせをさせていただいておりますが、ボックス席テーブル上へアクリルパーテーションを設置しました。
サーキュレーターから送られる風がパーテーション設置による影響を受けることがないようの設置位置のほか、風向きを見直しました。


立ち上った煙と天井付近の空気の流れ
カウンターテーブル席におけるそれぞれの座席の空気の流れは上述の通りですが、パーテーション沿いに立ち上った煙はエアコンの気流と共に左方向 窓側へ流れ、カウンター左側とボックス席のテーブル上に設置した2台のサーキュレーターを介して窓から排出されることを確認しました。
また、紫色と黄緑色の座席の中間あたりで若干、右方向(エアコンの給気口)に向けて上向きに流れる煙もありましたが、この辺りは座席等、人がいないことのほか、空気の滞留もないことから大きな影響はなさそうです。

ボックス席には天井換気扇、壁面にはパイプファンが設置されていることと、サーキュレーターの風が窓に向けて流れていることから立ち上る煙は少なく、大きく広がることは確認できませんでした。(空気清浄機を含め、店内すべての換気扇のフィルター清掃は毎日実施)


カラオケご利用時の飛沫拡散について
新型コロナウイルスの影響によるお客様の減少に加え、店内の空気の流れと換気の他、飛沫を広く拡散させないようマイクに装着したシールド等、カラオケをご利用される際の感染防止の対策を講じてきましたが、ワクチンの接種の有無、変異種に向けた対策として、6/21以降につきましてはご利用状況に合わせて下図、黄緑色で示した座席のご利用をいただくようご協力をお願いさせていただく場合もございます。予めご了承くださいませ。

こちらの座席は店内の空気が集中する風下に当たりますが、歌唱者においてはマスク着用に加えマイクシールドにより飛沫を吸い込むリスクが低いことのほか、天井には換気扇、後方の壁にはパイプファンが設置されています。加えて3台のサーキュレーターの風により飛沫の拡散を大きく抑える効果が期待できることで周囲に対する影響も少ないことから、感染を拡大させないためにもご協力をお願いいたします。

なお、カウンターテーブル席では『座席の間隔を1m以上保てる場合』、ボックス席では『ドア側ボックス席のご利用がない場合』につきましては自席でのご利用をいただきましても結構です。


最後になりますが、座席の配置と新型コロナウイルス感染に関する私たちの考え方についてお話をさせていただきます。

弊店では感染を拡大させないことを目的として、カウンターテーブル席を三つ、ボックス席では二つの計五つのブロックに分けています。
カウンターテーブル席では袖ありタイプのパーテーションで仕切られた左右二つずつの座席をそれぞれ一つのブロック。曲がった部分にある二つの座席を一つのブロックとし、ボックス席では袖ありタイプのパーテーションで仕切ることで左右一つずつのブロックとしています。

お一人でご来店されたお客様を空いているブロックへご案内をさせていただき、次にご来店いただいたお客様を同じブロック内にご案内しないことで1m以上の座席間隔を保つことを基本としています。 複数名でご来店された場合は、袖ありタイプのパーテーションを移動させて、グループ用にブロックをご用意させていただくか、ご利用者数によってはボックス席へご案内をさせていただくなど、お客様単位による座席のご案内をさせていただくよう努めています。

コロナ禍において、ご利用いただけるお客様が少なくなりましたので、同一ブロック内で見知らぬ方同士お過ごしをいただくことは殆どありませんが、週末などはブロック内にお客様をご案内させていただく場合もございます。

今回、タバコの煙を飛沫、飛沫核に見立て、各座席ごとにどのように煙が流れるかについてのテストをしてみましたが、スーパーコンピュータ富岳によるシミュレーションの結果通り、正面を向いている場合では隣り合わせであっても、煙が隣席に大きな影響を与えることはなくても、向き合って会話をされますとリスクは当然高まりますので、必要に応じてスクの着用、人と人との距離の確保等、感染防止の対策をお願いいたします。

なお、変異種の感染力の高さのほか、弊店はレストラン等、一般の飲食店と比較して会話量が多くなることから、私たちにできることは感染をゼロにすることではなく、感染が広がった場合でも同一グループ、同一ブロック内までに抑えることを目的として対策を重ねてきましたが、お客様のご理解とご協力を得ることにより感染をゼロにすることも十分可能であると考えています。

霧島市の感染状況は落ち着いてきましたが、クラスターによる感染の広がりは5月28日以降今日まで続いていることから、感染の火種は残された状態です。

感染拡大警報による飲食店の時間短縮要請は6月20日を以て解除されると思われますが、ワクチン接種が広く行き渡るまでの間、感染防止に対しましてより一層のご協力をいただきますようお願い申し上げます。

あと少し!もう少し!
お客様のお力をお借りして頑張りたいと思います。


ちづる

店名 ちづる
住所 〒899-4332 鹿児島県霧島市国分中央三丁目6-11
電話 0995-50-1317
URL https://chiduru.jp/
営業時間 20:00~0:00
定休日 日曜日

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